ふと、森へ戻ろうと思った。
何故だかはわからないけれど、そう思った。
たどり着いたところから、
小さな絵を描くうちに、
この場所に戻っていた……
そして物語は生まれた。
風 Wind
アーティスト・小林孝亘による初めてのアート絵本。
森を抜けて海へ辿り着いたところからはじまる物語。
浜辺に佇み、視線は目の前に広がる水平線へ。
さらに空の彼方へと向けられて、遠いその先に向かおうとした意識は、ふと、元来た森へ向き直る。
森の奥へ分け入るごとに、謎かけのように現れる一匹のカエル、あり得ないバランスを保つ積み木、頭上にとまるフクロウ、カラフルな花たち、青色の蝶・・・
一つひとつ、謎解きをするように分け入る「私」は森に流れるにおいや風を捉えながら進んでいく・・・
再生への扉のような、静かな探訪の絵本。
細密な素描と彩色が施された挿絵の美しさに目を奪われる。
●日英併記
著／小林孝亘
190×210mm 上製本 40頁（図版18点）
【展覧会情報】
小林孝亘「さようなら、こんにちは」
会場：西村画廊 ≫
会期：2025年7月8日(火)〜2025年8月9日(土)
オフィシャルホームページ
小林孝亘 OFFICIAL WEB ≫
◆小林孝亘(こばやしたかのぶ)
1960 東京・日本橋に生まれる。
1986 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業。
1995 「第38回安井賞展」セゾン美術館、東京／「水戸アニュアル’95 絵画考―器と物差し」水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城。
1996「VOCA’96 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」上野の森美術館、東京／VOCA賞 奨励賞 受賞。
1996-97 文化庁芸術家在外研修員としてバンコクに滞在。
1997「存在の夢」キッシェリ美術館、ブダペスト、ハンガリー／「群馬青年ビエンナーレ」（招待部門）群馬県立近代美術館。
1998 アート・スコープ ’98 派遣アーティストとしてフランス、ロト・エ・ガロンヌに滞在。
1999-2012 東京とバンコクに住む2003「MOTアニュアル2003 おだやかな日々」東京都現代美術館。
2004「小林孝亘展―終わらない夏」目黒区美術館、東京。
2005「風景散歩」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川。
2008「ネオテニー・ジャパン―高橋コレクション」霧島アートの森、鹿児島他6館巡回（-’10）。
2010「絵画の庭―ゼロ年代日本の地平から」国立国際美術館、大阪。
2011- 武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授。
2013- 神奈川県逗子市に住む／「Re:Quest―1970年代以降の日本現代美術展」ソウル大学校美術館／「Ohara Contemporary」大原美術館、岡山。
2014「小林孝亘―私たちを夢見る夢」横須賀美術館、神奈川。
2015「画家の詩、詩人の絵」平塚市美術館、神奈川 他4館巡回（-'16）。
2016「Horizon That Appears Out of The Sleepy Woods」Stephen Friedman Gallery、ロンドン／『小林孝亘 ふつうの暮らし、あたりまえの絵』（求龍堂）。
2017「小林孝亘―私たちを夢見る夢」ギャラリー柏 六花亭、札幌。
2020「神宮の社芸術祝祭『紫幹翠葉(し かん すい よう)―百年の社のアート』」明治神宮ミュージアム、東京。
2022「真昼」豊田市美術館、愛知／「サンセット／サンライズ」豊田市美術館。
2023「共生世界―2022済南国際ビエンナーレ」済南市美術館、中国。
2024「空の発見」渋谷区立松濤美術館、東京／「川端龍子＋�盒粁饗析坤灰譽�ション ファンタジーの力」大田区立龍子記念館、東京。
2025「さようなら、こんにちは」西村画廊、東京／『さようなら、こんにちは』（求龍堂）。
西村画廊個展（‘96, ‘98, ‘99, ‘00, ‘02, ‘03, ‘04, ‘06, ‘07, ‘08, ‘10, ‘13, ‘15, ‘17, ‘18, ‘22, ‘23, ‘25）。
東京都現代美術館、東京国立近代美術館、国立国際美術館（大阪）などパブリック・コレクション多数。
森へ Into the forest
深呼吸 Deep breaths
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