横山大観、川合玉堂、川端龍子、奥村土牛、濱田庄司……。
卒寿を超えた日本画家・岡信孝の画業とともに辿る、巨匠たちと過ごした日々のこと。
身近に過ごしてきたからこその言葉、振る舞い、目線、息遣い、匂い。
伝えていきたい巨匠たちの真の姿。
齢九十四、オール書き下ろしの画文集、刊行。
巨匠たちの美を見つめ絵にしてきた画家岡信孝。
祖父川端龍子、義父濱田庄司ら巨匠の真の姿を伝えるため書き下ろした初の画文集。

岡信孝は1932(昭和7)年生まれの94歳、現役の日本画家である。
本書は、珠玉の作品と書き下ろしの文章で綴られた初画文集である。
岡信孝は、日本画家川端龍子を祖父にもち、陶芸家濱田庄司を義父にもち、日本画家奥村土牛を第二の師と仰ぐ、巨匠たちに囲まれて描きつづけてきた稀有な画家である。
美大などには行かず、ひたすら龍子の下で、龍子の描く姿や作品をひたすら見て盗む修業をし続けてきた。龍子と同時代の横山大観、川合玉堂、そして濱田庄司、奥村土牛、平福百穂との交わりからも多くのことを学び、吸収し、作品に昇華する日々。
これら巨匠たちとの距離が近かったからこその言葉、振る舞い、目線、息遣い、匂い……身近にいた者でしかわからない巨匠たちを書き残しておかなければならないと書き下ろした文章には、ものの本には書かれていない真の姿がある。そして巨匠たちの美を「見つめて」昇華した作品たちには、気負いのない柔らかな世界観が漂う。
書き下ろしでは、「絵が疎かになる」からと禁止した龍子にあえて背き、無駄の道から出発した「美のコレクション」についても語られている。岡自身が「ああ、いいなぁ!」と心を動かされて収集したコレクション。そこには岡信孝の「美とは何か」が反映されている。
コレクションを入れ替えては楽しむ心には、とてもシンプルな「ああ、いいなぁ」があるのみである。
本書のまえがきで岡自身が書いている。
私の美とは何であろうか。この歳まで絵を描きながら、あまり深くは考えてこなかった。
私も九十四歳となり、自分の「美の発見」と制作に結論を出す時になった。
この本の出版でどのような生き方をしてきたのか、私の美とは何かと、答えを出す歳になった。多くの巨匠に囲まれ、幸せであったのか、苦悩であったのか、懐古し、生まれた言葉が、「美は生命(いのち)である」の一言であった。
「美を見つめて」きた岡信孝が未来に遺す画文集である。
なお本書は、岡信孝コレクションを有する「須坂クラシック美術館」の所蔵作品で構成されている。岡信孝と須坂クラシック美術館との関わりにも言及している。
著/岡信孝
B5判変型 並製本 136頁(図版119点)
◆岡信孝(おかのぶたか)
日本画家、1932年1月23日生、川崎市出身、横浜市在住。
1950年、祖父である川端龍子の主宰する青龍社に入り画家として経験を積む。
1966年、龍子の没後、青龍社は解散、以後無所属となり精力的に古典活動を展開する。
義父に濱田庄司。
1995年、長野県須坂市に岡信孝コレクションを寄贈。
善光寺本願へ天井画制作。
増上寺光摂殿天井画及び襖絵制作。
大英博物館に神楽面寄贈。







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