2015年映画化『愛を積む人』の原作本。
佐藤浩市、樋口可南子「愛を積むひと」で初の夫婦役!
娘役は北川景子。
石をひとつずつ積むように、やさしい時間を重ねた夫婦の物語。
みなから「ストーンマン」と呼ばれた、人生の盛りを過ぎたひとりの男。
彼は、不器用に、ただひたすらに、愛する人との約束を果たそうとした。
あふれてくる、温かい涙と、温かい感情。
夫婦間、世代間において、自分の生き方や愛し方を改めて考え、変わるきっかけになる作品。
[ストーリー]
残りの人生でやり残したことをやろうとした、ひと組の仲睦まじい老夫婦。妻のアンは言った。「やりかけたままの石の塀を完成させてちょうだい」妻との約束を果たすため、ジョーゼフは思うように動かない体で、ひとり石塀を作る。そんなある日、アンが倒れた。余命いくばくもないことを、戸惑いながらも受け入れる夫婦。アンを安心させるため、長年折り合いの悪かった息子ポールと5年ぶりに会い、関係を修復しようとするジョーゼフ。孤独な少女シャノンとの出会いも、アンの最後の人生に花を添えるものだった。夫ジョーゼフを残したまま、とうとう死を迎えたアンは、部屋のあちこちに夫に宛てた手紙を残す。それは、伝えそびれたジョーゼフへの、感謝の言葉や思いやりの言葉といった、愛のメッセージ。ひとり残され孤独感を募らせていたジョーゼフは、妻の手紙にどれほど救われたことか。アンへの愛を再認識するジョーゼフ。
ある日ジョーゼフは、ティムとアイザイアという少年ふたりに襲われる。裁判で有罪になったふたりを救うため、石塀作りを手伝ってもらうことにした。アンとの約束はなんとしてでも果たさなければならない。自分には時間がない…。
ぎくしゃくと、しかし確実に心を通わせながら、ジョーゼフはシャノンとティムと触れ合っていく。しかし、アイザイアとはなかなか心を通わせられない。それでも石塀は次第にできあがっていった。
石塀を作ることでアンが伝えたかったこと、それは、若い人たちに優しい手を差し伸べてほしいという、愛情溢れる切なる願いだったのだ。
アンの愛は、残された者たちを救うのだろうか。ジョーゼフは、妻との約束を果たせるのだろうか。そして、少年たちにジョーゼフの思いは通じるのだろうか…。
著/エドワード・ムーニー・Jr.
訳/杉田七重
四六判 上製本 468頁
◆エドワード・ムーニー・Jr.
マサチューセッツ州で生まれ、カリフォルニア州のタスティンで育つ。
モンタナ州立大学とカリフォルニア大学リバーサイド校を卒業後、システムプログラミングの仕事を経て、1988年よりハイスクールの教師として働く。
今でも、より使いやすいコンピューターを見つけ、学生たちにやさしく教えることに熱意を燃やしている。
現在はカリフォルニアに妻、5人の子どもと暮らしている。
とにかく旗が大好き。スカンジナビアの旗や、由緒あるアメリカの国旗を、家に数本所有する旗ざおにしょっちゅう掲げ、ときに近所の人々に不思議がられている。
地図、旅行、読書、執筆、コンピューター、ホームページの作成、キャンプなど、多彩な趣味を誇る(無類のチョコレート好きとしても知られている)。
◆杉田七重 (すぎたななえ)
東京生まれ。
東京学芸大学教育学部国語科卒業。
訳書に『もしも、あなたの言葉が世界を動かすとしたら』(M・ウィートリー著)、『あなたは、あなたであるから素晴らしい』(W・ドライデン著)(以上、PHP研究所)、『サハラに舞う羽根』(A・E・W・メイスン著、金原瑞人と共訳、角川書店)、『人類最高の発明アルファベット』(J・マン著、金原瑞人と共訳、晶文社)、『愛と成功の確率』(G・ベア著、田中亜希子と共訳、集英社)などがある。
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