1908年、横浜に生まれた東山魁夷は、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業してドイツに留学。
1945年太平洋戦争に応召、熊本で終戦を迎える。
熊本で目にした風景を元に描いた《残照》が1947年、第3回日展で特選を受賞。
肉親を相次いで亡くした孤独のなかで風景の美しさに開眼、自然との対話を重ねながら、日本だけでなく中国や欧州などの風景も描き、数々の名作を残す。
静謐で郷愁漂う東山の風景画は多くの人の心を惹きつけ、国民画家とまで言われるようになる。
1969年文化勲章受章、日本画壇を代表する画家となった。
1975年と1980年の二期に亘り描かれた唐招提寺障壁画は東山の画業を代表する大作。
1999年没、享年90、従三位、勲一等瑞宝章を贈られる。
写真/寺島照夫
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