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江戸時代の高松に、藩主から名字帯刀を許された職人がいた! その名は玉楮象谷。生誕210年記念出版! 現代の人間国宝に「真似できん」と言わしめた香川漆芸の祖、玉楮象谷。 香川漆芸は、江戸時代後期、高松藩の漆彫師・玉楮象谷(たまかじ・ぞうこく)によって、「蒟醤(きんま)」「存清(ぞんせい)」「彫漆(ちょうしつ)」の三技法が確立されたことに始まる。 これら装飾性の高い、高度で洗練された香川独特の漆芸技法は、その後多くの名匠名工によって受け継がれ、地域の伝統工芸として発展。いままで五人の人間国宝が輩出。その人間国宝をして「真似できん」と言わしめた香川漆芸の祖、玉楮象谷。 その出自、漆芸を高松のブランドにした手腕、職人の身でありながら藩主から名字帯刀を許されるまでになった技術、あまり知られていなかった象谷の人となりを、わかりやすく綴った本書。 元高松市美術館美術課長の住谷晃一郎氏が長年かけて調査研究し、2006年に朝日新聞で連載した「玉楮象谷伝」を加筆訂正、図版をカラーで掲載した玉楮象谷入門書。 光琳や乾山などの江戸物好きもきっとまだ知らない漆芸の祖。 これを知らないで漆芸を語るべからず。巻末の資料は専門的に知りたい方にも便利、資料性もバツグンの一冊。 <目次> 『自在に生きた香川漆芸の祖 玉楮象谷伝』の刊行にあたって/香川県知事 浜田恵造 『自在に生きた香川漆芸の祖 玉楮象谷伝』によせて/高松松平家第十四代当主 松平�鯢� はじめに【香川漆芸と玉楮象谷】 その一 享楽の時代 技巧主義とマンネリ打破 その二 破格の値段 豪邸千円の時代に七千円 その三 生家はどこ 藤森神社隣、戦災で焼失 その四 紅華緑葉堂 二階の物干し台は「実験室」 その五 生まれた年 信憑性の高い1806年誕生説 その六 公園の銅像 親類の容貌見抜き、再現された銅像 その七 金毘羅参詣 活発な様子、滑稽本も描く その八 父・理右衛門 鮮やかな彫りの技、息子へ その九 修行期の謎 京都で永楽保全らと親交 その一○ 保全の影響 保全の方法論学び、作風を確立 その十一 唐物漆器 脳裏に焼き付け、工法創製 その十二 愛蔵の品 名品が磨いた鑑識眼 その十三 独立の気風 金銭のために製作せず その十四 財政危機 9代藩主が殖産を奨励 その十五 御用留 公私にわたる第一級資料 その十六 讃岐彫の印 地域ブランドを藩に要望 その十七 宝蔵の手入れ 名品を補修し、製法を考察 その十八 玉楮の姓 「鐙」修復の頃、すでに玉楮姓公称 その十九 名前の出典 中国の故事を気軽に選ぶ その二○ 幻の印籠 人間国宝も「真似できん」 その二一 九九九の生物 挟家に精緻きわめた刀法 その二二 イッカク 北極海が育て上げた珍品 その二三 幕閣の藩主 権力を持つ大名に優品を贈る その二四 忘具香合 生涯の精力を傾けた代表作 その二五 松山の津 上皇も上陸、讃岐の玄関口 その二六 多産な年 老中首座に砂鉢の土産物 その二七 槐の木 庭に植え、成長ぶりを記録 その二八 清朝の書家 漆硯たたえ「私も欲しい」 その二九 興正寺門跡 突然の面会で盃下される その三○ 両親の古希 大阪に戻る伯母に髪飾り その三一 道真の歌 香合に紅葉と共に彫る その三二 古い銅鏡 箱にハス描き、圓通寺奉納 その三三 石清尾八幡宮 謎の老人と伊勢神宮参拝 その三四 名作・皷箱 藩主の御前で彫り実演 その三五 栄達の極み 藩主の居室入り許される その三六 父の名字帯刀 「別居はだめ」と条件付き その三七 「楽只園」の号 10代藩主、新作を土産に江戸へ その三八 黒船の来航 緊迫の江戸から情報 その三九 郷土の関取 黒岩から家宝の枕もらう その四○ 蒟醤の語源 熱帯アジアの風習転用 その四一 藩主の文具箱 四色の蒟醤で対称に装飾 その四二 巨大地震 高松も「大破」し野宿する その四三 幕末の動乱 10代藩主頼胤、将軍の継嗣問題で板挟み その四四 引退の時 藩主交代を機に官を辞す その四五 維新の晩年 朝敵解除へ依頼主も尽力 その四六 勉心簿子 生涯解明へ、待たれる発見 玉楮象谷系図 玉楮象谷年譜 【註】文献・参考資料 あとがき 収録図版目録 索引 監修/香川県 A5判 並製本 320頁(約120点) 【展覧会情報】 香川漆芸の祖 玉楮象谷 生誕210周年「香川漆芸美術展 〜その始まりと今〜」 会場:香川県立ミュージアム ≫ 会期:2016年8月6日(土)〜9月19日(月・祝) ※本書は本展の公式図録兼書籍です。 ◆住谷晃一郎(すみたにこういちろう) 1955 年香川県高松市に生まれる。上智大学文学部卒業。 山梨県立美術館学芸員を経て、開館準備から携わった高松市美術館に1983(昭和58)年から学芸員として勤め、2015年定年退職。 現在は香川県の文化振興課で美術コーディネーターとして香川漆芸のブランド化に尽力している。 著書に『讃岐漆芸 工芸王国の系譜』(河出書房新社、2005年)、編著書に『玉楮象谷』(高松市美術館、2004年)がある。
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